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企業再建・事業再生をめざして

「清算ではなく、再建を共にめざす」ことを理念とし、お客様と共に歩んできた
当事務所の経験と実績に基づいた最新の企業再建・事業再生の現場をご紹介します。

会社分割の光と陰

1. 会社分割の活用

 経営コンサルタント等の指導で、債務超過で倒産寸前の会社について、「会社分割の制度を利用して事業再建を図る手法が行われるのを、よく目にするようになったのは、平成19年頃からだっただろうか。

 具体的な方法は、こうだ。

 会社が、優良な事業に関係する資産と、その事業の取引に協力する債権者に対する債務だけを新設する会社に承継させ、不採算事業や、承継されず残った債権者に対する債務は元の会社に残し、新設会社は、元の会社に、会社分割の対価として発行株式の全てを交付する。新設会社はその後、増資して、元の会社に交付された新設会社の株式も、その後、元の会社から、新設会社のスポンサー(元の会社の経営者や、その関係者であることも多い。)に転売される。こうすれば、残された債権者には何も知られないまま、元の会社はもぬけの殻となり、その会社の優良事業部門は新設会社に引き継がれ、新設会社の株式も元の会社の関係者が保有するということが可能になるわけだ。

 実は、このようなことが可能になったのは、最近の法改正が影響している。そもそも会社分割という制度は、平成13年に作られた制度なのだが、当時は、債務の履行の見込みがなくなるような会社分割はそもそも行うことができない(行っても無効になる)とされていた。しかし、平成17年に「会社法」が制定された際、いつの間にか、そのような制約がなくなってしまったのだ。

 また、会社分割では、債権者保護手続と言って、債権者に対し、会社分割を行うことを通知した上で、異議を述べた債権者には、弁済・担保提供・弁済用財産の信託のいずれかをしなければならないとされているのだが、上記の方法のように、元の会社に全額の請求ができるような場合は、この債権者保護手続を採る必要がないとされている(このため、元の会社は、新設会社に承継された債務についても重畳的債務引受をするのが通例である)。これは、元の会社の資産の一部が新設会社に移転されるものの、新設会社の株式の100%が元の会社に発行されれば、結果として、元の会社の資産状態に変更はないことになるから、債権者保護手続は不要と考えられたことによるのだが、上述のとおり、会社分割の後に、元の会社がその新設会社の株式を安値で譲渡することや、新設会社が新株を発行して持分割合が希釈することは直接的には禁じられていない。そのため、結果的には、債権者には何も知られないうちに、元の会社をもぬけの殻とすることが可能になったわけである。

会社分割の光と影

  1. 会社分割の活用 ←現在のコンテンツ

  2. 会社分割への対抗措置(1) 商号が続用されている場合

  3. 会社分割への対抗措置(2) ←近日公開

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 企業再建・事業再生をめざして CONTENTS 

1.経営再建の絵は描けるか?
 1 ポイントチェック
 2 再建を考えるタイミングとは?
 3 恐ろしい通貨オプション取引(デリバティブ契約
2.メインバンクと話し合おう
 1 メインバンクと話し合おう
 2 当面、返済は利払いだけにしてもらおう
3.弁護士を見付けよう

4.私的整理の方法
 1 私的整理とは
 2 私的整理のいろいろ
 3 私的整理ガイドライン
 4 中小企業再生支援協議会の活用
 5 RCC再生スキーム
5.会社分割の光と陰
 1 会社分割の活用
 2 会社分割への対抗措置(1)
 3 会社分割への対抗措置(2)
6.民事再生は最後の手段
7.社長の個人保証問題の解決策